「えっと…?」




この状況にはさすがの龍臣先輩も苦笑いしている。


だから角まででいいって言ったのに…




「ま、とりあえず立ち話もなんだし?うちおいで!君も一緒に!」




能天気な姉は空気も読むわけなく私と龍臣先輩と家に押し込んだのであった。




「ということで改めまして。咲結の姉の麻結(まゆ)です~」


「母のエリコです~」


「ねえほんとにやめてお母さんまで。先輩なんも関係ないのに何でちゃっかり連れ込んで…!」


「あらぁ、先輩なの?咲結ってばやるじゃ~ん」




…駄目だ、この親子全く話が通じる気がしない。





「咲結に彼氏なんてはじめてじゃない?ほんとに楽しみだったの~」


「……そうだね」




初めてじゃないよ、お姉ちゃん。


なんて、家に一度も遥輝を連れてこなかったのは私なのに。




根掘り葉掘り話を聞かれるのは嫌だし恥ずかしいから連れてきたことがなかった。


遥輝の家にはいったことあるけど、うちに男の人を連れてくるのは初めてなんだ。