「咲結ってちょっと蒼斗に似てるよね」
「えぇ…霧崎先輩の場合はただのドSに見えるけど」
「咲結ちゃん聞こえてるよ~」
私が霧崎先輩に似てるんだとしたら、麻里奈が霧崎先輩を選んだ理由がわかる気がする。
麻里奈はどちらかというといじられる側だからね。
「あ、今日水曜日ですからね先輩」
「知ってるよ。忘れるわけないじゃん、図書委員ですから」
「うわぁ、最近までサボり魔だったくせに」
ジト目で龍臣先輩を見たけどにこにこの笑顔で返された。
よくわからない。
「仕事もそうですけど、今日は月1の委員会ですから。16時に3年2組の教室で」
「3-2?ラッキー、俺のクラスじゃん」
顧問の先生のクラスが他に使う人がいるらしく、今日は3年2組。
先輩が忘れることもないだろうし、ありがたいかも。
「帰っちゃだめですよ」
「俺いないと寂しい?」
「いや、曜日担当一緒の人いないと先生と先輩に白い目で見られるんですよ」
「素直じゃないなぁ、まあちゃんと行くから安心して」
龍臣先輩は私の髪を優しく撫でた。
この手が居心地よく感じてしまう 私は、きっと変。
「咲結、次体育だしそろそろ戻ろー」
「うん。じゃあ、また放課後」
「窓から見てるから頑張ってね」
「外なんか見てないでちゃんと授業受けてください」



