「ほらもう7時。お時間ですよ咲結チャン」
なんて悪魔のような黒い笑顔で立ち上がる夏木…じゃないや。
(大魔王)龍臣センパイ。
今日から心の中でのあだ名は魔王にしよう。
先輩をつけるにも値しない。まあつけるけど。
「もうこんな時間か…」
「いつの間にか勉強してた人達も帰ってたな」
「7時半には校舎も閉まりますしね。片付け始めますよ」
「はいよー」
龍臣センパイには本棚の整理と返却本の収納をやってもらって私は掃除。
なんだこの人、今まで委員会サボってばっかだったから働かないのかと思ってた。
なんだかんだ仕事もやってくれるし、今のところ根は真面目そう。
根は、ね。根は。
「なに?そんなに俺の事見ちゃって。惚れた?」
「ないです」
「はっ、高速で否定すんのやめてよ傷つくわ〜」
うっかり見すぎてたのはバレたけど、なんとかかわして掃き掃除に戻る私。
あーあ、もうこんな時間か。



