「何にやにやしてんの、こっちみんな」




ぼふっ

「わっ」




ベッドの上にあったクッションを押し付けられて視界が真っ暗になる。



可愛いらしいとこあるなぁって思うあたり、やはり知らぬ間に先輩のサドっ気が移ったのかもしれない。





「先輩、好きです」


「っ、は?何、急に」



「別に」



「からかうな…」




付き合ってから変わったこと。

正直言ってほとんどない。




でも確かに言えることは、幸せだってことだった。




出会いは複雑で、お互いの彼氏彼女が浮気してる現場を一緒に目撃したり。


浮気されても彼を突き放せなかった私を救ってくれたり。


完璧でポーカーフェイスに見えて実は照れ屋で赤面症だったり。


私のことを、本当に好きでいてくれたり。



そんな龍臣先輩が…



「大好きです、先輩」


「…どうしたの、今日。頭打った?」


「打ってないです、正常です」



「……俺も好きだよ、咲結」




願わくば、これからもずっと先輩の隣で。

二人で一緒に、幸せでいられますように。





「あれ、咲結耳赤くない?」


「うるさいです」


「あ、そろそろ準備できたかも。いこっか」


「どこに?」


「ふろ、一緒に入ろうと思って沸かしてた」


「っ、な…!!」


「あと布団しかなくていいって言っといたから。夜は一緒にベッドで寝ようね」






龍臣先輩は今日も意地悪 fin