「顔近いです」
「近くない」
気づけば真横にあった龍臣先輩の顔を手のひらで押し返す。
完全に意地悪モードの龍臣先輩はノーダメージらしい。
「さっきあいつと何話してたの」
「あいつって、安堂くんですか?大した話してないですよ」
「ふーん、触られてたくせに」
家に来てから上機嫌だったのにまた思い出したのか拗ね始めた。
まったく、この人は…
「やきもちですか」
「そうだよ妬いてるよ悪かったね心の狭い彼氏で」
「えぇ、めんどくさ…」
先輩はまるでメンヘラかのようにぶつぶつ文句を言いながら私の背中に頭を押し付けてきた。
学校のアイドルである先輩のこんな姿、ファンの子が見たらどう思うことか。
赤面してる写真だけでいいビジネスができそう。
その前に私が抹消されそうだから絶対にやらないけど。
「…先輩、背中痛いです」
「…。」
アルバムを見ながら文句を言ったけどフル無視される。
え?そんなに拗ねてんの…?
たかがあの程度の会話で?あの自信家の龍臣先輩が?



