「エリカね。田宮絵梨花!もう忘れたとか言わせないから」




田宮、エリカ先輩。


そうだ、それだ。思い出した。




「とか言ってあたしもあんたの名前忘れちゃったんだけどさ。なんだっけ、入学式の時ちょっと騒がれてた子でしょあんた」



「人違いじゃないですか?…有明咲結です」



「そうそうそれそれ。珍しい名前だなって思ったのよ。サユチャン」





エリカ先輩は背が高くてスタイルもいいから上から見下ろされてると委縮してしまう。


この堂々たるオーラ、水森先輩とは確かにジャンルが違う。




というか対極のような…




「ねえ、あんた何者?なんでナツキになつかれてんの?なんでハチマキ交換してんの?」




エリカ先輩の圧と怒涛の質問攻めに私は壁際まで追い詰められた。



悪い人ではなさそうだけど、なんか…やっぱり圧がすごい。距離感がおかしい。




「こら田宮、何後輩いじめてんの」



「あ、ナツキ」




どこからともなく現れた龍臣先輩は私とエリカ先輩の間に割って入って距離を取らせた。




…スーパーマンか。