「夏木龍臣の次の彼女候補って噂で1番名前上がってる先輩だよ。
あの人と同じクラスで水森先輩と付き合う前1回告ってフラれてるらしい」
「さっすが情報屋安堂」
「…有明?」
「…っ、なに」
安堂くんに声をかけられてはっとした。
自分でもびっくりするくらい2人を見てぼーっとしていたらしい。
「…なあ」
ぐいっと、安堂くんに手を引かれた。
「やっぱり付き合ってんの、あの人と」
「なにいってんの、そんなわけないじゃん」
「じゃあ何であれ見て動揺してんの。有明はあの人のこと好きなの?」
あの人が誰を指してるかなんて、1人しかありえなかった。
私が、龍臣先輩のこと。
「…時間ないから、いこ。もう向こうで召集かかってるよ」
「おい有明」
「ほーら安堂。しつこい男は嫌われるぞ!さっさと行く!」
麻里奈が助け舟を出してくれたおかげで救われた。



