ニコニコの龍臣先輩の背後から私に向けられる鋭い眼光。




そう、龍臣ファンクラブ(仮名)。


体育祭というお祭りに乗じて先輩と写真を撮りに来たのであろう、彼女たちの手元に光る一眼レフ。




たかが校内での2ショットにどこから持ってきたのか気になるほどの立派なカメラ。


芸能人並みなんじゃないか、この人。囲み取材じゃないんだから。




というか視線が痛すぎるから離れてほしいところである。




「まあまあ周りなんか俺まったく気にしないから」



「私は気にします。ていうか先輩こそ気にするべきだと思いますけど」



「大丈夫、咲結には危害加えさせないから」

「そこじゃないです問題」


「今のカッコよくなかった?惚れた?」

「いいえ」




危害どうこうじゃなくて、私と龍臣先輩が知り合いなことをファンにバレたくない。


委員会が一緒にしても、必要以上に絡むと痛い目見るだろうから。




わざわざこんなとこで話さなくても少なくとも週に一回は当番で話すことになるんだ。


なんなら毎日お昼も一緒だし



体育祭なんて全校生徒いるんだしなおさら嫌。


ファンクラブ上層会員様(3年生)に目をつけられたらたまったもんじゃない。