無理、俺にして


渋々といった感じで口をとがらせながら赤のコーンを手に取るオリを見て、少しほっとする。


こんなバカみたいなやりとりはいくらでもできるのに

めちゃくちゃ大事なことを、今度こそ聞こう!! とどれだけ決意しても。

いざオリを目の前にするとやっぱり切り出せなくて、結局話せなくなる。


話したら、オリはきっときちんと聞いてくれるだろう。
こっちの本気度が伝われば、ちゃんと質問にも答えてくれる……はず。

けどきっと話してしまったら、オリは俺との距離を改める気がする。

なんでかは、わかんないけど。


オリは、俺とのこの距離感がちょうどいいと思ってるんだろうな。

俺はもっとオリのことが知りたいし、もっとちゃんと仲良くなりたいと思ってるけど。


あーまずい。

ゆめちゃんに対しての気持ちだけじゃなくて、オリが俺を本当はどう思ってるのかまで気になってきた。


俺、女々しすぎでは……。


「なあ秋音よ」

「ん」

「その後あいつとどうにかなったのかい」

「えっ!? いって……!!」


突然オリから発せられた言葉に驚き、持っていたコーンを落としてしまう。

見事に散らばるコーンと、足を痛がる俺を交互に見たオリは「くふ」と笑みをこぼした。