無理、俺にして


そんな事言ってもだめなものはだめ。いやなものはいや。


「じゃあゆめちゃん」

「もう、なに?」


悲しそうな、甘えるような声で名前を呼ばれるのには弱い。


「今日久しぶりに一緒に帰ろうよ、俺の方が寂しくなったから」


あっくんの家は私の家のすぐ近所にあって、中学2年くらいまでは一緒に帰ることもよくあった。

けど彼の存在が、周りにどんなふうに映っているかを知った私は、少しずつ周りの目を気にするようになって。

それからは一緒に帰ることもなくなったんだっけ。



「……あんまり目立たないようにするなら……いいよ」

「よっしゃあ!!」

「っわ、急に大きい声出さないでよ」

「嬉しくて、つい」


そう言ってニッと笑うあっくんは、とても嬉しそうだった。

いくら久しぶりとはいえ、そんなに嬉しいものなのかな?