「……あー」

「……」


折原くんの声が少し低く感じて、体がぞくっとした。
こわい、とはまた違う、なんだろうこれ。


「……ここ?」

「ひあっ!?」


冷たい指先が私の首筋をなぞった。
折原くんが寒がりなのは、どうやら本当みたい。


「くふ、ここじゃあギリ見えるからダメでしょ」

「え、やっぱり見えるものなの!?」

「絆創膏貼って誤魔化してる奴けっこういるからなー」

「じゃあどこがいいかな……」


この会話からして、折原くんはやっぱり私のして欲しいことに気付いてるみたい。
なんだかそれもちょっと恥ずかしい。けど、やっぱり嬉しい。

感情がぐちゃぐちゃで、自分がおかしくなっちゃったみたいだ。


「……これは別に今すぐじゃなくてもよかろう」

「え?」


すっと、折原くんの体と距離ができる。


「もう少しちゃんと考えんさい」


……あ。

今、少しだけ困った表情をしてた。