無理、俺にして

お母さん。

男の子って本当に、怖い存在なんですか。


「折原くん」

「んー?」

「これ、私の寝言なんだけど」

「くふ、なーにそれ」


そっと優しく抱きしめてくれる。

これもノートに書いてあった私の「男の子とやりたいこと」のうちのひとつ。


「折原くんってどんな子が好きなのかな、とか気になる」

「そんな寝言言う奴あるか」

「あと、好きなものとか、嫌いなものとか」

「そんな寝言言うくらい気になるんだ」

「……ぐー、ぐー」


思いが溢れて泣いてしまいそうになる。
声もちょっと鼻声になってきた。


「アンタのかーちゃんが言う、男ってのは怖い生き物ってのはほんとだヨ」

「……」

「けど、それ以上にちゃんと優しい奴もいるヨ」

「……ぐう」

「俺の事より、秋音のことちゃんと見てあげんさい」


俺じゃなくて、秋音を。
遠回しに避けられた感覚になる。