無理、俺にして


「圧倒的人気者のあっくんが、地味で物静かな私にいきなり話かけるなんて、周りから変な噂されちゃうでしょっ」


なにもわかってないんだから。

自分がどれだけ目立っているのか、どれだけの女子の視線を集めているのか。


「う、噂なんて俺は気にしないけど」

「私はするの!!」


最後に残った卵焼きを頬張って、空になったお弁当箱をお弁当袋に仕舞う。

あっくんみたいな人気者は、噂のひとつやふたつなんて気にしないかもだけど……。


「とにかく静かに、穏やかに、目立たず過ごしたいの」

「うん……寂しくなったら言ってな?」

「なっ……」


あっくん、話聞いてたかな!?

私から話しかけるなんてこと、絶対にしないのに。


「そしたら俺、全力でゆめちゃんのこと構うよ」

「周りからなにされるかわからなくて怖いよ」

「俺がさせないから」

「……わかったから早く食べちゃいなよ、円城くん」

「せめて2人でいる時はあっくん呼びのままがいいのに」