無理、俺にして

***

「おー優秀優秀」


少し経ってから、やっと折原くんがやってきた。


「もう、折原くん、聞いてた話と全然違うよ!! 私すごい緊張して」

「聞いてた話とな?」

「忘れたとは言わせないよっ!!」


昨日――。
家に帰って色々と済ませたあとベッドに入った時だった。


「……」


私は、折原くんのワイシャツのポケットに入っているメモ紙をじっと眺める。

洗うから、出しただけで、別にのぞき見したいとかそういうわけじゃなくて……なんて自分に言い聞かせることすらせず、秒でメモを見てしまったさっきの自分がめちゃくちゃ情けない。

小さなメモ紙に書かれていたのは、
メッセージアプリのIDと、『これに連絡するのが吉』という文字。

これって、たぶん折原くんの連絡先……ってことだよね……?


「……っ」


お、男の子と連絡なんて、小学校の連絡網の時以来したことない……!!
あっくんの連絡先だってもってない、というか友達ほとんどいない……

えっとこれって今、なのかな……!?
今、メッセージ送っちゃっていいってこと……?

試しにメッセージアプリを起動し、記載されたIDを入力して検索をかけてみる。


「……あ」