本当にそうだと信じてたんだろう。
私の否定を聞いてあっくんの表情がやっとやわらかくなる。
「なんだ、びっくりした。そっか……そっかあ」
ああそっか。
あっくんは単に私の恋愛事情について心配していてくれていたんだ。
幼なじみとして、ちゃんとした人と付き合ってほしいとおもってるんだろうな。
……でも、私は彼氏なんて作っちゃいけないんだけど。
「……」
折原くんがもし、彼氏になったら。
隠れたり、内緒にしたりしながらあんなことしなくてもよくなるのかな。
――「『手で口を塞がれたい』、クリアだね」
「……っ!!」
さっき。
屋上から出るとき。
小さく耳元で囁かれた言葉を思い出して、顔からボンッと火がでてくる。
ていうか、どれだけ私のノートの内容覚えてるのよ。
バカっぽいけど、意外と記憶力はいいんだなあ。
「ゆめちゃん」
「はいっ!!」
大きな声で呼ばれる名前に反応して、つい私も大きい声で返事をしてしまった。



