無理、俺にして


ごくんと唾を飲み込んで、小さく「失礼します」と呟いて。

目の前のふつくしい鎖骨に……かぷり。


「……?」


噛む為に開けた口に、鎖骨はおさまらなかった。

お、男の人の鎖骨って、思っていたより太いんだ……!!

さっりより大きく口を開いて、もう一度。


「ぅ、わ」

「!?」


突然出された折原くんの声に、びっくりして顔を離す。

な、なに!? もしかして痛かったかな!?

緊張して力が入りすぎちゃってたのかもしれない。


「ご、ごめん折原くん、痛かった……!?」

「や、痛くなかった、けど」

「うん」

「鎖骨、噛まれたことなくてその、ちょっと声出た」

「そ……っ、そそそういうこと言うのやめてくれないかなあっ!?」


顔を上げると、折原くんはまたもやおかしそうに笑っていて。


「……!」


でも、さっきよりも少しだけ、顔が赤くなっていた。