無理、俺にして

さっきの病室での出来事を思い出す。

あの、ちょっとの時間なんかじゃ全部はわからないけど、


折原くんが、どうして本音を話すと離れて行ってしまうのか分かった気がする。

きっと、お母さんと一緒で
自分と同じような思いを相手にして欲しくないっていう
優しさからだったんだ。


「初めての恋は、折原くんとしたい」


折原くんが今まで悲しんだ分、苦しかった分

私が幸せにしたい。


「うん、応援してる」

「……ありがとう、お母さん」



それから、お母さんが折原くんと知り合ったきっかけや
どうしてここにいるのかとか
私が知らない事をたくさん聞いて。

私も昨日の体育祭のこと、友達ができた事を話した。

やっとふつうの親子みたいに話ができたような気がして、嬉しくなって夢中で話す。

今までの時間を取り返すみたいに、たくさん話をした。


時間も忘れて話していたとき、折原くんが私を迎えに来てくれる。


「……ちゃんと話せたみたいで良かったね」


私と、お母さんを見て優しく微笑む折原くん。

……そして、お母さんの前に来たかと思うと、
背筋をぴんと伸ばして、まっすぐお母さんを見た。