無理、俺にして

*秋音side*

「なんじゃ秋音よ、そんなに見つめて。穴が空いちゃうぜよ☆」


体育祭の準備をしている時も、まったく同じ事を言われた。
それが余計に俺を苛つかせた。

分かってる。
仕方ないことだって。

きっとゆめちゃんはオリのことが好きだ。

多分初めて会ったときからずっと好きだったんだ。


“あいつは自分の気持ちを勘違いしてるだけ”
“俺はそれを気付かせようとした”


あの日、初めてオリに俺の本音を話したあの日。
二人でゆめちゃんを探している途中、オリはめったに見せることのない真面目な表情でそう言った。

今だから正直に言うけど、その時はあまりオリの言っていたことの意味をよく理解できていなかった。
我ながらバカだと思う。


ゆめちゃんは、高ぶる気持ちを恋だと勘違いしていて。
オリがそれをゆめちゃんに教えてくれた。

あとからちゃんと考えて、やっとその意味を理解したとき

俺にもまだチャンスは残ってると思った。


ゆめちゃんはまだ、オリにも恋をしていないんだって。
そう思ってほっとしたのが、本音。

オリに恋してしまっていたら、俺には正直勝ち目なんてないと思っていたから。

そう思って、ほっとした自分がひどく情けなくて、
風呂に浸かっているとき死にそうになるまで潜るという修行を続けている。

……自分でも訳が分からない。