無理、俺にして

***

「それってもう両想いってこと!? ねえゆめちゃん!!」

「え、ねえわかんないよっ、どういうことなのふみちゃん~……っ!!」

「ねえ、もっとちゃんと詳しく聞きたいよ~!!」

「私だってもっとちゃんと聞いて欲しいよ!!」


小声でコソコソとお話しすること約5分。

やっぱり両想いってことなのかな!?
じゃあなんでキスはしてくれなかったのかな!?
というか好きって言ったの結局誤解で終わっちゃってるよね!?

そうやって聞きたいこと、話したいことがたくさんあるのに
借り物競走参加者の集合場所にいて、周りには他の人もいる。

そのせいでゆっくりふみちゃんと話ができない。

あまりにも幸せな時間すぎたせいで、
もしかしたらさっきの出来事って夢だったんじゃないかと思っても
今自分が身につけているシャツから折原くんの匂いがして、

ちゃんと現実だったんだと安心して、またドキドキして、の繰り返し。


「では借り物競走、スタートです!!」


一年生の借り物競走が始まった。

そういえば、この集合場所、赤組の待機場所の目の前だ……。
なるべく気にしないようにしたいのに、どうしても視線は待機している赤組の人たちの方に向いてしまう。


「……」


折原くんと、あっくん。

男子に囲まれていても、すぐに二人を見つけられる。