無理、俺にして


「~……っ」


つい両手を合わせて心の中で何度もありがとうございますと感謝を叫ぶ。


「くふ、拝むな拝むな」


ぽん、と折原くんの手が私の頭に乗せられて
そっと顔をあげる。


「交換」

「っ」


ドキンッと心臓が跳ね上がる。
折原くんと……好きな人と、身につける物を交換……ってこと……?


「え、あの、折原くん……?」

「心配せんでも、体育祭終わったら返すなり」


満足そうな笑みを浮かべた折原くんは、カーテンを開けて教室の出口に向かって歩き出す。


「先に戻ってるから、早く着替えてグラウンド戻りなヨー」


「ばいなら」と付け加えて、折原くんは教室から出てそのまま行ってしまった。

折原くんが、私のヘアピンをつけて

私が、折原くんのTシャツを着て……


こ、これじゃあまるで。

“体育祭中に好きな人と身につける物を交換すると――……”

「~……っ」