「……ってぇ」
耳のすぐ傍で低い声が小さく聞こえて、そっと目を開ける。
覚悟していた頭を強打することによる痛みは思っていたほどなくて。
代わりにずしりと重いものに体がすっぽり埋まっていて。
「……だいじょぶ?」
むくりと上半身を起こした彼は、真顔で私の顔を見つめて聞いた。
「あ、あ……」
頭に敷かれているあたたかくてゴツゴツしたのは彼の腕である事を理解して、うまく声が出ない。
まずい、まずい。
めっちゃいい匂い!!
……じゃなくて。
まさかこんなことになるなんて。
「よっこいせ……っと」
彼はそっと私を起こしてから、自分の乱れたジャージを整える。
ど、どうしてこの人がここに?
というかなんで窓の外から来た?普通に廊下から登場したらよかったのでは……!?
「……っ!!」
あまりにも多い情報量を整理できず、体は動かないし声も出ない。
ただはずかしくて、熱くなっている顔を隠すように下を向く。



