無理、俺にして

お金を入れて、2種類あるスポーツドリンクを指が行ったりきたり。

甘めと、すっぱめ。


「んー、すっぱい気分かなあ」

「正解」

「っ!?」


突然かけられた声にびっくりして、そのまますっぱめスポドリのボタンを押してしまった。
ガコン、と飲み物が落ちた音がやけに大きく響く。

振り向けば、おもしろそうに楽しそうにくっくと笑っている折原くんの姿がそこにあった。


「お、折原くん!? どうしてここに……」

「オリくん、暑いの嫌い、ここに、いる」


片言で返してくる折原くんがおかしくて、私まで笑みがこぼれる。


「暑がりで寒がりなんて、体温調節大変だね」


学校指定の半袖に長ズボンのジャージを着て、腰に長袖を巻いている昨日と同じスタイルの折原くん。

ただ、頭には赤いハチマキが巻かれていて、体育祭といういつもと違った雰囲気も相まって
いつもより余計にかっこよく見えてしまう。


「……ちょお」

「?」


落ちてきたスポドリを取り出していると、折原くんがまた私を呼んだ。
みれば、また何か企んでいるようないたずらっ子のような表情をしてて。


「おいで」