無理、俺にして

少し寂しい気持ちと、明日が待ち遠しい気持ちでなんだかふわふわする。

……遠足前の小学生みたいだ。


「あの、折原くん」

「んー?」


名前を呼べば。

くるりと振り返った彼は少し気だるそうな声で、でも優しく微笑んで私と目を合わせてくれる。

こうやって目が合う度に胸がきゅんと鳴って、
ああ、すきだなあと思う。


「あ、あの」


“体育祭中に好きな人と身につける物を交換すると、両思いになれるんだって!!”


さっきのふみちゃんに言われた言葉を思い出す。

なにか。
なんでもいいから。

体育祭じゃなくても、男の子と物を交換したり、おそろいにしたりしてみたかった。

明日の体育祭に向けて気持ちが高ぶってきている今、そんなジンクスを教えてもらっちゃったからには、やってみたくてしょうがなくなってしまった。


折原くんのなにかを私が身につけて
私のなにかを折原くんが身につける。


それは二人だけのつながり。


「えっ、と……」


言いたい。
お願いしたい。