私たちが家を出る頃には、12時を回っていた。
「あぁ、遅刻だっ、遅刻・・・っ。」
なんて、意味の分からない事を何度も繰り返し言ってる、愛ちゃん。
「愛ちゃん、ちょっと落ち着こうよぉ。
全然(ゼンゼン)余裕だしっ。だから心配ないょっ。」
愛ちゃんを落ち着けるために、言った私に、
「えっ!ZENが何だってっ!! あぁ、遅れちゃうぅ。」
(いゃいゃ・・・ZENじゃなくて、全然って
言ったんですけどねぇ・・・)
そう言い返そうとしたけど、
愛ちゃんの頭の中のパンク寸前状態を考慮にいれて、
言葉を呑み込んだ私。

