私、夢を叶えますっ!


「到着いたしました。」

そう運転手が後ろに居る、誘拐犯(もぅこう呼んでやるっ!)に言った。

「あぁ、じゃっ行きますかっ!」

誘拐犯はそう私に言った。


「あっはい・・・」

(あっ、私何で誘拐犯に返事、しかも敬語で・・・

返事してんのっ???)

そう思いつつも、逃げ場はないと観念して

その人についてビルの中に入っていった。


「あのぅ、荷物はどうすれば・・・?」

トランクに入れられたままの荷物を気にして聞いてみた。


「あぁ、あれはあの人が運んでくれるから大丈夫だよ。」


爽やかに答えるその人。

でも・・・


(なるほど、荷物を人質・・・違うなっ、物質にとって

私が逃げれないようにするんだな。

何て頭が切れる奴らだっ!!)