「君、その荷物、どこかへ行くの?」
と私の荷物を見て聞くその人。
「あっ、私・・・東京に行くんです。
私の人生を変えてくれた圭に会いに行こうと思って・・・
あっ、馬鹿ですよねっ・・・私・・・」
正直に言ってから、恥ずかしくなって俯いた。
「君はそれだけの理由で東京に行くのかっ?」
いきなり声を荒げてその人が聞いてきた。
「それだけの理由って・・・?!どういうことですか?
失礼かもしれないですけど、あなたには関係のないことでしょっ。
それにあなたにとってはそれだけのことでも、
私にとっては、人生が180度変わった素晴らしい出来事だったんですからっ!」
ZENのことを『それだけのこと』って言われて、
プッチンと切れてしまって、鼻息を荒げて反論してしまった私。

