あなたと過ごす、最後の七日間

海斗くんは無言でわたしを見つめた。

「どうせわたしたちの仲だって永遠じゃないんだよ。いずれ別れるときがくる。もしかしたら、意外に早いのかも」

「おれと別れたい、とか考えてるのか」

ちょうどいい感じの流れ。

自然と別れを口にできるような状況。

「そうだね。正直、わたしは海斗くんと別れたいと思ってる」

「……」

「他に好きな人もいるの。さすがに四年って長すぎるでしょ。もうそろそろ別の人に乗り換えたって不思議じゃないよね」

「それ、本気で言ってるのか」

疑わしそうな声。

わたしの演技なんて簡単に見破られるのかもしれない。

でも、続けないという選択肢はもうないから。

「そうだよ。だからもう、わたしには話しかけないで。サッカー部のマネージャーもやめるつもりだから」

海斗くんはしばらく黙っていた。

もしかしたら数秒のことかもしれないけど、わたしにはとても長く感じられた。