わたしはそのときのことを覚えていない。
海斗くんが言うには、隣に座っていた当時のわたしはこう返したらしい。
ーーなれるよ、海斗くんなら。
海斗くんは努力家さんだから、きっとサッカー選手になれるよ、って。
「それが、おれがサッカーをはじめたきっかけだったんだよ。莉子がいたから、おれはサッカーを好きになれたんだと思う。あの事故のあともそうだよ。お前がいなかったら、テレビでサッカーを見ることすらできなかった。好きなチームも応援することはできなかった」
ありがとうな、と海斗くんは言った。
わたしはその顔を見続けることができなかった。
胸の痛みが増すばかりで、いっそ自分のやったことを吐き出したい、という衝動にもかられた。
海斗くんが言うには、隣に座っていた当時のわたしはこう返したらしい。
ーーなれるよ、海斗くんなら。
海斗くんは努力家さんだから、きっとサッカー選手になれるよ、って。
「それが、おれがサッカーをはじめたきっかけだったんだよ。莉子がいたから、おれはサッカーを好きになれたんだと思う。あの事故のあともそうだよ。お前がいなかったら、テレビでサッカーを見ることすらできなかった。好きなチームも応援することはできなかった」
ありがとうな、と海斗くんは言った。
わたしはその顔を見続けることができなかった。
胸の痛みが増すばかりで、いっそ自分のやったことを吐き出したい、という衝動にもかられた。
