「だって爆弾の犯人はこの街にいる可能性が高いんですよ。もし学校とかで爆弾が爆発したらどうしようとか考えちゃいますよ」

「それはないんじゃない?これまで誰も怪我なんてしてないんだから」

「テストをしてるだけなんですよ。爆弾が完成したら、きっと人を狙うつもりなんです」

仮にそのつもりだったとしても、この犯人が誰かを傷つけることはない。この一週間のうちに逮捕されてしまう。

「わたしはやっぱり、ウイルスのほうが気になるかな。なんだか妙だって感じるし」

「妙、ですか」

「うん。なんか違和感がない?そんな事件があったからといって、普通、プロスポーツまで中止にするかな。なんか過剰反応のような気がするんだよね」

「わたしは当然だと思いますよ。だって、人がたくさん集まるところでウイルスなんか撒かれたら大変なことになるじゃないですか」