「わたしもそう思う。爆弾魔は大学生くらいの男性で、ウイルスは流出そのものが起こってないと思う」

両親がキョトンとした顔でこちらを見る。

「莉子はどうしてそう思うんだ」

「何度もこの時間を経験しているから、わかるの」

こう言い切ることで、これまでのわたしの運命を変えようとした。

能力者であることに極端に怯えていたりすると、なにもかもうまくいかなくなるような気がした。

両親になら、これくらい言っても平気だから、あえて宣言するように口にした。

「何度も?どういうことだ?」

さすがに自分が能力者だとは言えないので、ここは誤魔化さないといけない。

「なにか、そんな夢を見たから」

「予知夢ってやつか?まさか莉子、能力者じゃないよな」

「だとしたらラッキーよね。あれって家族にもお金が支給されたりするんでしょ。一気にお金持ちになるわね」