あなたと過ごす、最後の七日間

わたしが調べた限り、誰かに未来を教えることはよくなさそうだった。

死の運命を変えられるのは自分だけ。

他人を巻き込むということは運命を複雑なものとし、対応が難しくなる可能性があるそう。

それに、もうひとつ問題がある。

能力者というのは、基本的には国に申告する義務があるということ。

本人がその自覚を持った時点で、学校やネットを通して国に伝えないといけない。

能力者は貴重な存在。

だから政府は少しでも多くの人を回収しようとしている。

もし、わたしが能力者であることがばれたら、政府に連行され、特殊な施設で教育を受けることになる。

そうなれば自由も制限されるし、この街にも簡単には戻ってこられなくなる。

だからというわけではないけれど、わたしは、海斗くんには何も伝えなかった。

海斗くんを信じていない訳じゃない。

わたしが能力者だと知っても、きっと彼なら秘密にしてくれる。

わたしはただ、怖かった。

そのことを知ったら、あの出来事と関連付けてしまうんじゃないかって。

そして、わたしのことを責めるんじゃないかって。

嫌いになるんじゃないかって。