爆弾事件を知って慌てて連絡をしてきたようだった。

漏れ聞こえる声は切迫していて、どれだけ弟のことを心配していたのかがわかる。

通話が終わると、海斗くんは「ふう」と息をはいた。

「姉さんもいつまでもおれのことを子供だと思ってるんだよな。大丈夫だって言ってるのに、あれこれとうるさいんだよ」

海斗くんはソファーの背もたれに体を預けて天井の方を見る。

口ではそう言いながらも、どこか嬉しそうに見える。

「それも当然だよ。別々に暮らしてるんだから、余計に気なるんだよ。」

「そのわりには普段は、全然連絡とかよこさないんだよな」

海斗くんとお姉さんの優愛さんはとても仲がいい。

大学に行く前まではわたしもよく一緒に遊んだからよくわかる。

あまり連絡をよこさないのはきっと、勉強が忙しいからだと思う。