そう、わたしは爆発魔が誰かを知っている。

それをうまく使ったら?

かなり危険なことではあるけれど、試してみる価値はあるかも。

「とうした、莉子?」

気づいたらわたしは立ち上がっていた。

両親がこちらを見上げている。

いまのわたしには海斗くんのことだけが頭にあった。

それにいま、気づいた。

「なんでもない」

わたしは急いで部屋に向かった。

ずっとそこにいたら、泣いてしまいそうだったから。