「でも、こうして爆弾のニュースを見ていると、不安になるわよね。この街でもいつか大きな被害が出るかもしれないでしょ」

「大丈夫なんじゃないか。いまのところ郊外ばかりで、人が怪我をしたことはないんだし」

実際、あの爆発でも負傷者はでなかった。

とはいえっても街の中心部で爆発が起きたのは確かで、大きな騒動になったのは確かだけれど。

「なにか嫌な予感がするのよね。夏休みはしばらく実家に避難でもしたほうがよさそうな気がするけど」

「気にしすぎじゃないか。こんなのどかな街で大事件なんて起こらないだろ」

「だったら爆弾魔なんて出てこないでしょ」

「まあ、そうなんだが。やけに不安を感じないんだよな」

「爆弾魔にウイルステロなんて、ほんとこの国はどうしたのかしらね。莉子が夏休みの間に全部解決してくれればありがたいけど」