デザイナーが目の前で持って来たものを実践してくれている。
「使ってみてもいいかしら?」
受け取って手に持つ。
玉止めした糸を引っ張り上げ、根本にこの糸切り道具を滑らせるようにして当てる。2ミリほどの隙間に糸を入れるようにして動かせば、スパンと綺麗に糸が切れた。
ちょうど、木の板分の長さ数ミリの位置で切れている。
「あら、これはちょうどいい長さに糸が切れるのね。それに、間違って布まで切ってしまう心配がなくていいわね」
と、感想を述べると、再びデザイナーが興奮の声をあげる。
■
「そうなんですよ!鋏の代わりという感じではないんです。まさに新しい糸切り用の道具です。針が収納できない糸切り専用のものがあってもいいと思うんです。持ち運ぶようは、この木製の部分に凹みを入れて、そこに糸を巻くのもよろしいかと。出先でボタンが取れた時などにさっと取り出してつけられるくらいの量の糸なら持ち歩けるかと思います」
「あら、それもいいアイデアね」
と、次々にデザイナーが口にするアイデアに感心して相槌を打つ。流石ね。ブーケ・ド・コサージュも次々に新しいデザインを生み出すだけのことはあるわ。私なんかと発想力が違うもの。
「この試作品はいただいても?」
私の言葉に、デザイナーが首をかしげる。
「ええ、それはもちろんです。ですが、改良した品をお持ちいたしますよ。木彫りの無粋な見た目ではなく、彩色して磨き上げたものを……」
「ああ、そうなのね。見た目……。これも可愛らしくできるということ……」
「ええ、もちろんでございます。花の絵を施しましょうか。宝石をつけることも……」
可愛らしくすると逆にエミリー……いや”エミリオ”が持っていると不信がられて取り上げられるかもしれない。
「使ってみてもいいかしら?」
受け取って手に持つ。
玉止めした糸を引っ張り上げ、根本にこの糸切り道具を滑らせるようにして当てる。2ミリほどの隙間に糸を入れるようにして動かせば、スパンと綺麗に糸が切れた。
ちょうど、木の板分の長さ数ミリの位置で切れている。
「あら、これはちょうどいい長さに糸が切れるのね。それに、間違って布まで切ってしまう心配がなくていいわね」
と、感想を述べると、再びデザイナーが興奮の声をあげる。
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「そうなんですよ!鋏の代わりという感じではないんです。まさに新しい糸切り用の道具です。針が収納できない糸切り専用のものがあってもいいと思うんです。持ち運ぶようは、この木製の部分に凹みを入れて、そこに糸を巻くのもよろしいかと。出先でボタンが取れた時などにさっと取り出してつけられるくらいの量の糸なら持ち歩けるかと思います」
「あら、それもいいアイデアね」
と、次々にデザイナーが口にするアイデアに感心して相槌を打つ。流石ね。ブーケ・ド・コサージュも次々に新しいデザインを生み出すだけのことはあるわ。私なんかと発想力が違うもの。
「この試作品はいただいても?」
私の言葉に、デザイナーが首をかしげる。
「ええ、それはもちろんです。ですが、改良した品をお持ちいたしますよ。木彫りの無粋な見た目ではなく、彩色して磨き上げたものを……」
「ああ、そうなのね。見た目……。これも可愛らしくできるということ……」
「ええ、もちろんでございます。花の絵を施しましょうか。宝石をつけることも……」
可愛らしくすると逆にエミリー……いや”エミリオ”が持っていると不信がられて取り上げられるかもしれない。

