稿 男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~

 あ、ぬいぐるみを、かわいくない男らしいデザインのクッションの中に入れてプレゼントするというのはどうだろう?ぬいぐるみを取り出してかわいがることができるように。
 って、ダメだわ。舞踏会の会場にクッションを抱えて現れる令嬢なんて、またまた悪目立ちしてしまう。
 むしろ、カバーを外してぬいぐるみを抱えて歩く方がマシだろう。って、また子供っぽいと悪目立ちしてしまうわ。あのピンクのドレスを着ていた子だと、今度はぬいぐるみを抱っこしてるぞと、笑われることは間違いない。……もし、公爵令嬢だとバレた後、ぬいぐるみを抱えていたという話が残るとまずいよね。もう、服にぬいぐるみを縫い付けたファッションでも流行ればいいのに。流行らないかな。
 ……と、想像してみるけれど、流石になさそうだ。小さなぬいぐるみならどうだろう。
 いや、ドレスの模様に、ぬいぐるみのような刺繍を施すというのは?おかしいだろうか?例えば……。
「メイ、ちょっと仕立屋を呼んでもらえる?」
 2日後には仕立屋が来た。
「リリーシャンヌ様、遅くなり申し訳ありません」
 2日後なので、遅いということもないんだけれど。
「いいえ、急に呼び立ててごめんなさい。王妃様から頼まれた仕事もあって忙しいと聞いたわ」
 いつも私の服のデザインをしてくれる男爵令嬢のデザイナーがにこやかに笑った。
「ええ、おかげさまで。リリーシャンヌ様考案のブーケ・ド・コサージュに王妃様も興味を持ってくださり、早速いくつか注文を頂いたのです」
 私が考案したというより、私がぼろりと漏らした言葉を元になってるだけだよね?
「で、今回はどのようなご用件でしょう」
「ああ、そうなの。実はね、ドレスに動物の模様を入れられないかと思って」
「え?」
 デザイナーの口があんぐりと開かれた。