稿 男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~

 また、何かエミリーにプレゼントしたい。ブーケ・ド・コサージュの別のものにしようかしら?
 でも、まだきっとあまり広まってないのに、いくつもすでに男性用のコサージュを持っていても不審がられちゃうかな?
 今度は違うものにしよう。
 何がいいかな。
「リリーシャンヌお嬢様、この後は何をなさいます?」
「んー、そうね……」
 考え事をしたい。エミリーにプレゼントするものを考えたいの。
「じゃぁ、刺繍でもしようかしら?」
 メイに答えると、すぐに刺繍をするための裁縫道具が用意された。
 先月から刺し始め、途中になっている刺繍だ。
 針を取り、布に突き立て針の先を出して抜き出す。時折針に糸をくるりと巻いて抜き出し、模様を作っていく。
 すでに図案は書き写してあるし、ひたすら布地を埋めて行く単純作業だ。
 こういう単純作業は、考え事をしているときにはちょうどいい。

 ……刺繍を施したハンカチ……は、だめね。すでにレースのついたハンカチをあげてるもの。あんまりかわいい女もののハンカチばかり持っていたら言い訳できなくなるわよね。
 何がいいのかしら。
 エミリーが普段欲しくても手に入れられないもの。
 ぬいぐるみは呪われそうとか言っていたけれど、かわいいよね。でも女性が浮気防止にという案は却下されちゃったけれど、何らか男性が持っていても不思議ではない理由がないうちは、エミリーにプレゼントするわけにはいかない。取り上げられてしまうだろうし、女性っぽさを否定する両親を警戒させてしまうかもしれない。きっとエミリーがずっとエミリオでいようとしているのも、親にこれ以上心配をかけたくないからというのもあるのだろう。
 うーん。クッション……とかどうかな?かわいい物……は、ぬいぐるみと一緒で取り上げられちゃうか。