稿 男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~

「シェミリオール、大丈夫よ。私が、力になってあげます。もし、あなたの愛する女性が、王妃になることを不安に思っているのであれば、話をしてあげるわ。大丈夫だと、安心してと。……ね?」
 何も分かっていない。
「兄上……僕もできる限り力になりますから。王妃の仕事とされていたことで、王弟が代われることは僕や僕の妻となる者で代わりますから」
 優しい家族。
 だけれど、何も分かっていない。
 私の心が女であることも。
 何も、許してもらえない。
 私が女として生きることも。
 ほんの少し……愛する人と一緒の幸せな時間を得ることも。
 愛する人……。
 リリー。
 私、リリーがいなければ、もう生きていても仕方がないって……。ただ自分を偽り続けるだけのこの世界にはもう戻れないわ……。

 ねぇ、リリー。私は貴方のためなら命をかけられるのよ。
 きっと、迎えに行くから。
 法典に書いてある「却下される要望」以外はどんな望みも陛下は叶えなければならない、そんな方法が一つだけあるの。
 私を、待っていてね……。