稿 男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~

 でもやっぱり、婚約したいなんて友達が本気で思ってるって知ったら、おかしな人だと思われちゃうわよね。
 だったら、ちゃんと婚約したいって言ってなくても問題はないわよね。
 って、問題は……。そっちじゃなくてこっちよね。
 はぁー。
 もし、このまま私が跡継ぎだとすると、婚約者になったら最後。地獄のような日々が待っているわよ。
 間違いないわ。教育、指導、レッスン、勉強……の日々。
 大変よ。
 リリーはどういった家の出なのか分からないけれど……。学園にも通えてないとなると、学ぶことはとてもたくさんになるんじゃないかしら。
 いえ、待って、それよりも男性アレルギーは大丈夫なのかしら?
 ほぼ女性ばかりだと言っても、男性と接する場面も出て来るわよね。
 だめだめ。本当にダメ。
 アレルギーが出なくても、男性と接するなんて駄目よ!
 想像したらぞっとしたわ。
 誰かの手を取るとか、いや。リリーを誰にも触らせたくないわ!
 かわいいリリーが、誰かにけがされるなんて許せない。ありえない。そのうえリリーがアレルギーで苦しんだらと思うと。
 排除よ、排除。男はみんな排除。
 ……分かってるわよ。私が跡取りになっちゃったら、そういうわけにもいかないのよ。
 それに、それによ?
 絶対に仕事が忙しい。あとをついじゃったら、忙殺される。
 せっかくリリーといちゃいちゃしようと思っても、忙しくて全然いちゃいちゃできないのよ。
 あら?いちゃいちゃ?
 私ったら何て単語を使っているのかしら。
 それじゃぁ、まるで恋人同士みたいじゃないの。
 ロバートとディックが仲良くしている場面で「あいつらいちゃいちゃしてるわね」って……。
 まぁ、言うこともあるわね。あるわ。あったわ。
 友達同士でもいちゃいちゃって単語を使うことはあるわ。問題ないわ。
 てなわけで、私、絶対に弟に皇太子の地位を譲る。