ロイホール公爵が、口ひげを撫でながら壇上、皇太子の元へと近づいた。
「シェミリオール殿下、エカテリーゼ嬢とローレル嬢、お二人を前にどちらが記憶を失う前に愛していた女性か、何か感じることはないか?」
お兄様が、くっと唇をかんだ。
「私が……エカテリーゼと婚約を解消したばかりに……。ローレル嬢に損な役割を負わせてしまった……」
お兄様の言葉に、息をのむ。
■
エカテリーゼ様のような女性が皇太子妃になったら国がめちゃめちゃになると思って……ローレル様は「国のために覚悟を決めた」と行った。
望んでいるわけではない。皇太子妃の地位など。
だけれど……エカテリーゼ様を皇太子妃にさせなために、私の秘密を守るために手をあげてくださったのだ。
これからもお友達でいてくださいって言葉は……もし、自分があなたの好きだった皇太子と婚約しても友達でいてねって言うことだったんだ。
ローレル様……。ごめんなさい……。もし、このままローレル様が皇太子の婚約者になったとしても……。ずっと秘密を抱えて嘘を隠して、その嘘が露見した時のことに怯えながら生きていかなければならなくなるんだよね……。
私……。
どうしたら……。
そうだ。お父様にも話そう。お兄様はもう知っているのだから。お父様に、そのRのハンカチの持ち主は私だけれど、結婚は断るつもりだったと。だから、殿下にはRのハンカチの持ち主とは別に新しく婚約者を選定するように……陛下にも殿下ご本人にも伝えてと……。
そうすれば、問題ないよね。
ロイホール公爵が、もう一度殿下に話かけた。
「ローレル嬢とエカテリーゼ嬢、殿下はどちらとも分からないというのであれば」
ロイホール公爵の話の途中で、殿下が左手を上げて言葉を制止した。
そして、ポケットに手を入れ、何かを握りしめて取り出した。
「シェミリオール殿下、エカテリーゼ嬢とローレル嬢、お二人を前にどちらが記憶を失う前に愛していた女性か、何か感じることはないか?」
お兄様が、くっと唇をかんだ。
「私が……エカテリーゼと婚約を解消したばかりに……。ローレル嬢に損な役割を負わせてしまった……」
お兄様の言葉に、息をのむ。
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エカテリーゼ様のような女性が皇太子妃になったら国がめちゃめちゃになると思って……ローレル様は「国のために覚悟を決めた」と行った。
望んでいるわけではない。皇太子妃の地位など。
だけれど……エカテリーゼ様を皇太子妃にさせなために、私の秘密を守るために手をあげてくださったのだ。
これからもお友達でいてくださいって言葉は……もし、自分があなたの好きだった皇太子と婚約しても友達でいてねって言うことだったんだ。
ローレル様……。ごめんなさい……。もし、このままローレル様が皇太子の婚約者になったとしても……。ずっと秘密を抱えて嘘を隠して、その嘘が露見した時のことに怯えながら生きていかなければならなくなるんだよね……。
私……。
どうしたら……。
そうだ。お父様にも話そう。お兄様はもう知っているのだから。お父様に、そのRのハンカチの持ち主は私だけれど、結婚は断るつもりだったと。だから、殿下にはRのハンカチの持ち主とは別に新しく婚約者を選定するように……陛下にも殿下ご本人にも伝えてと……。
そうすれば、問題ないよね。
ロイホール公爵が、もう一度殿下に話かけた。
「ローレル嬢とエカテリーゼ嬢、殿下はどちらとも分からないというのであれば」
ロイホール公爵の話の途中で、殿下が左手を上げて言葉を制止した。
そして、ポケットに手を入れ、何かを握りしめて取り出した。

