様々な声が耳に届く。
そのどれもが、彼女がシェミリオール殿下の思い人だということを否定することはない。
「エカテリーゼ様、ハンカチのイニシャルのRがそうだとしても、あなたが皇太子殿下の思い人だという証拠はどこにあるのですか?」
エカテリーゼ様が頭を殿下の肩にコテンと載せ、真っ赤な口でにたりと笑う。
「聞いていらっしゃらなかったの?殿下が大切に持っていた、ブーケ・ド・コサージュの話を」
と、エカテリーゼ様が殿下が胸元に飾っていたオレンジの小さなブーケを指さした。
そうしてから、殿下に絡めていた腕を離すと、ドレスの胸元の中央を飾るブーケ・ド・コサージュを見せつける。
「私の、ブーケ・ド・コサージュと殿下のブーケ・ド・コサージュが対になっていると証明されたのよ。間違いなく同じ布で作られた物だとね」
エカテリーゼ様がホホホと笑っている。
「動かぬ証拠だな」
「私ですって名乗り出た人の大半がオレンジ色のブーケ・ド・コサージュを持参したそうよ」
「聞いたわ。だけれど、布が違うものだったのでしょう?」
「どのような布かは公表されてなかったんですもの。取り寄せることもできないはずだから、エカテリーゼ様が殿下の秘密の恋人だったというのは本当なのね」
お兄様が拳を握りしめた。
「そのブーケ・ド・コサージュは、私があげたものじゃないか」
悔しそうに言葉を発する。大きな声で主張しないのは、それを言うことで、私が表に出ないように気を使ってくれたのだろう。
殿下は、そんなやりとりをただ黙って見ている。
無表情のまま。まるで他人事のように見ていた。
■
そんなお兄様の背をローレル様が軽くたたき、そして私が先ほど差し上げると言ったブーケ・ド・コサージュを手に載せて見せた。
「殿下、彼女は偽物ですわ。Rのハンカチの話は作話でしょう」
そのどれもが、彼女がシェミリオール殿下の思い人だということを否定することはない。
「エカテリーゼ様、ハンカチのイニシャルのRがそうだとしても、あなたが皇太子殿下の思い人だという証拠はどこにあるのですか?」
エカテリーゼ様が頭を殿下の肩にコテンと載せ、真っ赤な口でにたりと笑う。
「聞いていらっしゃらなかったの?殿下が大切に持っていた、ブーケ・ド・コサージュの話を」
と、エカテリーゼ様が殿下が胸元に飾っていたオレンジの小さなブーケを指さした。
そうしてから、殿下に絡めていた腕を離すと、ドレスの胸元の中央を飾るブーケ・ド・コサージュを見せつける。
「私の、ブーケ・ド・コサージュと殿下のブーケ・ド・コサージュが対になっていると証明されたのよ。間違いなく同じ布で作られた物だとね」
エカテリーゼ様がホホホと笑っている。
「動かぬ証拠だな」
「私ですって名乗り出た人の大半がオレンジ色のブーケ・ド・コサージュを持参したそうよ」
「聞いたわ。だけれど、布が違うものだったのでしょう?」
「どのような布かは公表されてなかったんですもの。取り寄せることもできないはずだから、エカテリーゼ様が殿下の秘密の恋人だったというのは本当なのね」
お兄様が拳を握りしめた。
「そのブーケ・ド・コサージュは、私があげたものじゃないか」
悔しそうに言葉を発する。大きな声で主張しないのは、それを言うことで、私が表に出ないように気を使ってくれたのだろう。
殿下は、そんなやりとりをただ黙って見ている。
無表情のまま。まるで他人事のように見ていた。
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そんなお兄様の背をローレル様が軽くたたき、そして私が先ほど差し上げると言ったブーケ・ド・コサージュを手に載せて見せた。
「殿下、彼女は偽物ですわ。Rのハンカチの話は作話でしょう」

