「殿下は私のことを全く覚えていなかった……私を見ても、何も思い出した様子もなかった……」
泣きそうな顔をした私をローレル様が引き寄せてくれた。
「リリーシャンヌ様……この、手紙の続き……あちらが忘れたからじゃない……リリーシャンヌ様が決断して断った未来に戻るだけ……」
ローレル様が私の手に、書きかけた手紙を当てた。
■
そうだ。一度は断ろうと思ったのだから。ちょっと断らなくてもいいかなと思ったけれど、やっぱり断ることにした……そんな未来にいるだけ。
そんなに簡単に気持ちは軽くはならないけれど、ローレル様が私を慰めようとしてくれているのが分かって、少しだけ気持ちが軽くなる。
きっと、私が悲しんでいれば、ぎゅっと抱きしめてくれる。
悩んでいれば話を聞いてくれる。
男性アレルギーのことも話をしたし……。
「さぁ、着替えて。行きましょう!ロバート様もすぐに準備を!」
ローレル様の言葉に、お兄様がきょとんとした顔を見せる。
「私も?あ、そうか。ロイホール公爵邸のお見合いパーティーはエスコートなしでもいいとはいえ、そうだな。エスコートしていった方がいいだろう」
というお兄様の言葉に、ローレル様が小さな声で呟いた。
「当事者だもの。見届けてもらわないと」
当事者?
シェミリオール殿下の思い人の私の兄という立場だから?まぁ、関係者ではある。ローレル様とお兄様が一緒にいてくださるなら……。私も心強い。
お兄様が出ていくと、代わりに侍女たちが部屋に入って来た。
「さぁ、誰よりも美しくして頂戴!」
ローレル様がクローゼットを開いた侍女に声をかける。
「え?いや、あの、あまり目立たないように……」
もしかしたら、泣いてしまうかもしれない。あまり注目を浴びたくはない。
「それは無理だわ……」
ローレル様がクローゼットの中を眺めながらちょっと困った声を出した。
泣きそうな顔をした私をローレル様が引き寄せてくれた。
「リリーシャンヌ様……この、手紙の続き……あちらが忘れたからじゃない……リリーシャンヌ様が決断して断った未来に戻るだけ……」
ローレル様が私の手に、書きかけた手紙を当てた。
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そうだ。一度は断ろうと思ったのだから。ちょっと断らなくてもいいかなと思ったけれど、やっぱり断ることにした……そんな未来にいるだけ。
そんなに簡単に気持ちは軽くはならないけれど、ローレル様が私を慰めようとしてくれているのが分かって、少しだけ気持ちが軽くなる。
きっと、私が悲しんでいれば、ぎゅっと抱きしめてくれる。
悩んでいれば話を聞いてくれる。
男性アレルギーのことも話をしたし……。
「さぁ、着替えて。行きましょう!ロバート様もすぐに準備を!」
ローレル様の言葉に、お兄様がきょとんとした顔を見せる。
「私も?あ、そうか。ロイホール公爵邸のお見合いパーティーはエスコートなしでもいいとはいえ、そうだな。エスコートしていった方がいいだろう」
というお兄様の言葉に、ローレル様が小さな声で呟いた。
「当事者だもの。見届けてもらわないと」
当事者?
シェミリオール殿下の思い人の私の兄という立場だから?まぁ、関係者ではある。ローレル様とお兄様が一緒にいてくださるなら……。私も心強い。
お兄様が出ていくと、代わりに侍女たちが部屋に入って来た。
「さぁ、誰よりも美しくして頂戴!」
ローレル様がクローゼットを開いた侍女に声をかける。
「え?いや、あの、あまり目立たないように……」
もしかしたら、泣いてしまうかもしれない。あまり注目を浴びたくはない。
「それは無理だわ……」
ローレル様がクローゼットの中を眺めながらちょっと困った声を出した。

