「ローレル嬢……?確かに、彼女もイニシャルはRか……彼女が皇太子の恋人?……?」
お兄様がかすかに困惑したような表情を見せる。
「いいや、彼女は違うであろうな。もし彼女であれば、シェミリオール殿下が隠している意味はないだろう?家柄も、辺境伯であるならば問題ない。国内貴族のパワーバランスを下手に崩すような野心的な家でもないしな。すでに兄が世継ぎとして確定しており婿を取る必要もない。人柄も、噂を集めたところ悪い話は出てこないしな」
噂を集めた?
「そうです、彼女はリリーを助けてくれた。……その、恥ずかしながら、私を叱ってもくれました。リリーのために怒ってくれたんですよ。素晴らしい女性です」
お兄様の言葉にお父様が頷いた。
もちろん、私も。ローレル様が褒められると嬉しい。
「ああ、彼女のような人物が皇太子妃になってくれればと思っている」
お父様の言葉にお兄様がすぐさま反応した。
「ローレル嬢なのですか?」
「いや、だから、先ほども違うだろうと言っただろう」
確かに。お兄様らしくない。聞いていたはずなのに。
「あ、確かにそうですね。いやですが父上、違うだろうと思っているのに、皇太子妃にとはどういうことですか?」
お父様が小さくため息をつく。
「名乗り出る者は、欲に目がくらんだ、皇太子妃の地位を狙ったろくでもない者たちばかりだ。とても、聡明なシェミリオール殿下が選んだ女性だとは思えない……」
お兄様がふっと笑う。
「どうだろうね。恋は盲目という位だ。そもそも皇太子の地位を捨ててまで一緒になりたいと思い詰めるのも、とても聡明な殿下の判断だとは思わないけれど」
「違うっ」
恋に盲目になって皇太子の地位を捨てようとしているわけじゃない。
エミリーは、心が女性であることに悩み苦しんで……。弟が皇太子になった方がいいだろうと、それで皇太子の地位を退こうとしていただけで。
お兄様がかすかに困惑したような表情を見せる。
「いいや、彼女は違うであろうな。もし彼女であれば、シェミリオール殿下が隠している意味はないだろう?家柄も、辺境伯であるならば問題ない。国内貴族のパワーバランスを下手に崩すような野心的な家でもないしな。すでに兄が世継ぎとして確定しており婿を取る必要もない。人柄も、噂を集めたところ悪い話は出てこないしな」
噂を集めた?
「そうです、彼女はリリーを助けてくれた。……その、恥ずかしながら、私を叱ってもくれました。リリーのために怒ってくれたんですよ。素晴らしい女性です」
お兄様の言葉にお父様が頷いた。
もちろん、私も。ローレル様が褒められると嬉しい。
「ああ、彼女のような人物が皇太子妃になってくれればと思っている」
お父様の言葉にお兄様がすぐさま反応した。
「ローレル嬢なのですか?」
「いや、だから、先ほども違うだろうと言っただろう」
確かに。お兄様らしくない。聞いていたはずなのに。
「あ、確かにそうですね。いやですが父上、違うだろうと思っているのに、皇太子妃にとはどういうことですか?」
お父様が小さくため息をつく。
「名乗り出る者は、欲に目がくらんだ、皇太子妃の地位を狙ったろくでもない者たちばかりだ。とても、聡明なシェミリオール殿下が選んだ女性だとは思えない……」
お兄様がふっと笑う。
「どうだろうね。恋は盲目という位だ。そもそも皇太子の地位を捨ててまで一緒になりたいと思い詰めるのも、とても聡明な殿下の判断だとは思わないけれど」
「違うっ」
恋に盲目になって皇太子の地位を捨てようとしているわけじゃない。
エミリーは、心が女性であることに悩み苦しんで……。弟が皇太子になった方がいいだろうと、それで皇太子の地位を退こうとしていただけで。

