稿 男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~

 だけど、今挨拶して、私が公爵令嬢だというのは分かったはずだから、誤解は解けたよね?だったら……陛下にも言えば……。
 ん?別に言う必要もない?だって、許すって言ってるのを止める必要はないか?
「今日は祝勝会ではあるが、ここからは、シェミリオールの婚約披露パーティーを兼ねる」
 わーっと、会場が盛り上がりを見せる。
 ま、ま、まって。
 心の準備が出来てないよ。
 まずはお父様と陛下に認めていただいて、それから婚約披露パーティーにむけて最低でも3カ月は準備をしてと、そういうのを想像していのに、いきなり、婚約が認められ、そのまま披露されちゃうの?!
 いや。覚悟を決めなくちゃ。
 エミリーを見る。
 あれ?
 エミリーは、「大丈夫?リリーが無理そうならば……」と、ちょっとハラハラして私を見ているんじゃないかと思ったら、そんな顔をしているどころか相変わらず宙を見続けている。
 ……ちょっと寂しい。
 エミリー、私を見てくれないの?
 今日も可愛いドレスを着てきたのに。ああ、逆に可愛いっていう感情があふれすぎてバレないように見ないようにしてるのかな?

 会場は私だけではなくて、多くの女性たちがとても素晴らしく着飾っている。ブーケ・ド・コサージュで可愛らしい花をドレスにいくつもあしらっている人も大勢いる。色とりどりの花が咲き乱れたようになっていて、可愛いがいっぱいだもんね。
 ……ブーケ・ド・コサージュ、あっという間に広まったみたいね……。
「シェミリオールの思い人よ、壇上に上がってほしい」
 はい?
 え?
 陛下が会場をぐるりと見渡す。
 エミリーは全く動かない。えーっと、こういう時は、男性が女性をエスコートするんじゃないの?
 一人で上がってこい?
 なんでエミリーは私の元に来て、手をとり壇上へとエスコートしてくれようとしないの?