稿 男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~

 そのほとんどは婚約者や家族にエスコートしてもらうわけで、示し合わせてお揃いの……女性のドレスをより引き立てる者を男性側が身に着けることはよくある。

「エカテリーゼ様はよろしのですか?」
 私に合わせた上着を仕立てると聞いた時に、再確認をした。
 だって、とても大切な、王族も出席する場で婚約者のエスコートをしないなんて……。
 私は、お父様にエスコートしてもらえばいいですし。お母様がいないので、お父様だって、エスコートする相手はいないもの。
「ああ。うん。ちょっともめているけれどね。大丈夫」
 もめてる?
「も、もめてるって、そんな!エカテリーゼ様をエスコートしてください、私のせいで、お2人の仲が悪くなってしまっては……」
 ちょっと、お兄様。
 エカテリーゼ様、ぜったい、後々、私のせいだと言うと思うんですよ。ダメダメ。
 ああ、お詫びの品を準備しておいた方がいいかしら?新しいドレス?宝石?話題のお菓子程度じゃだめよね……。
 小さくため息を漏らすと、兄も同じようにため息をついた。
「いや、そういうことではないから、うん……大丈夫だ」
 お兄様がちょっと寂しそうな顔を見せる。
「祝勝会までには解決させておきたかったんだけれど、ちょっと長引くかもしれないな……でも、大丈夫だから」
 いやいや、大丈夫なの?本当に?

 と、心配している間に祝勝会当日がやって来た。
 出来てきた真っ白なドレスに身を包み、すっかり化粧も施され侍女たちに口々に褒められた時点で逆に不安になった。
 おかしくないかしら?
 やっぱり、白一色なんて無謀だったかしら?