稿 男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~

「まぁ!なんということでしょう!リリーシャンヌ様!1つの舞踏会で、ドレスを着替える……それはとても出来ませんが、まるで着替えたようにイメージの変わるドレスに途中で変化するなんて……!なんて素敵なアイデアなのでしょう!」
 デザイナーさんがフルフルと小刻みに震えている。
 うん、かわいい真っ白なドレスを来て、エミリーに挨拶するでしょう。その後は真っ白をやめて会場で目立たなくしているつもり。
「皆の注目は一段と集まるでしょう!ええ、まるで魔法のようにドレスを替えたリリーシャンヌ様に!そして会場中の噂に……主役になることは間違いありません!」
 え?いや、注目?それはいらない。やっぱり無難な、どこにでもあるような、オレンジ色のドレスに……。
 と、デザイナーさんに言おうと思ったけれど、とても言い出せるような雰囲気ではなかった。殺気だったように、紙にデザインを書き留めている。
 ……覚悟。
 うん、皇太子妃になると、エミリーの横に立つと決めたんだもの。目立つことが嫌だなんて言ってられない。
 ドレスに興味をもった女性陣に囲まれるなら問題ないじゃないだろうか。男性陣が寄ってこない方がありがたい。
 うん、そう思うことにしよう。

 1か月の間は、祝勝会にむけてとても忙しかった。
 ドレスの打合せ、小物の打合せ、宝石の打合せ、真っ白なドレスにするということで、何もかも合わせたものを新しく作ることになった。
 宝石は、真珠と呼ばれる白いものに偏向。靴も白。靴は汚れにくくするために、かかとを高くしてもらう。うん、ちょうど、かかとの高い靴を売り込もうと思っていたから一石二鳥だよね。つま先側を3センチ、かかと側を13センチ。いきなり高くしすぎて上手く歩けないといけないので。
 できるだけ早く仕上げてもらってはいて動く練習をしなければならない。