稿 男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~

「公爵令嬢ともなれば、人々の視線の集まり方も相当なものとなる。それも、今まで舞踏会に参加してこなかった幻の天使」
 幻の天使?

「父上も私も、妹はとても可愛らしくて天使のようだと皆に言っているからね」
「ちょっと、お兄様!お父様も、なんということを!」
 顔が真っ赤になる。
 ナニソレ。
 やっぱり、行くのやめた方がいいんじゃ。
 いいえ、いいえ。
 エミリーが無事に帰って来たんだもの。会いたい。1日も早く会いたい。
 注目されるくらいなに?
 変な男にいきなり腕をつかまれたり、腰に手を回されたりするよりはずっと平気よ。
 ごくりと唾を飲み込む。
 私、皇太子妃になりたいと、ローレル様に宣言したわ。
 私にしか出来ないことがあるんじゃないかって思って。
 人々の視線位なによ。注目されるならめいっぱい注目すればいい。
 ……全然天使ではないよなと、がっかりされるのは目に見えてるんだけれど……。そういう覚悟だって必要だ。
 天使ではなかったとがっかりされても構わない。でも、エミリーとお似合いだとは思われたい。
 いいえ、私ならばエミリーのいいえ、エミリオの隣に並んでも問題ないだろうと思われなければならない。
「お兄様、すぐに仕立屋を呼んでください!1日も無駄にできないわ!」
「ふふふ、じゃぁ、リリーとの打ち合わせが終わった後に僕も打合せをしてリリーをエスコートするための服を仕立てよう」
 あれ?お兄様こそ沢山正装もお持ちだったのに、作るんだ。
「今ある服は……少々色目が派手だったからね」
 エカテリーゼ様のドレスの色に合わせて仕立てていたからかしら?それともエカテリーゼ様が何色にしてとリクエストでもしてたのかしら?
「私は天使のエスコートに徹するから、目立たない色の服を仕立てるよ」
 お兄様がふっと笑った。
 う、うう。天使なんて、もう、本当に、なんてことを!