稿 男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~

 だから、もう、公爵令嬢だということを皆に知られても、エミリーに知られてもいいと……むしろ、どうやって伝えようかなと思った。
 そのことは、お兄様は知らないはずなのに?
 バレてる?え?え?え?
 そんなはずないわよね?
 ……それに、お兄様は舞踏会へ参加するときにはエカテリーゼ様をエスコートしなければならないはずなのに?
 戦争が終わってすぐひらかれる舞踏会はいつもと何か違うのだろうか?エスコートなしでは参加できないとか……。
 ……だとしたら、参加しないだけなんだけどな。
 ううん、その前にエミリーに……皇太子殿下に手紙を送って見たらどうなるだろう?
 お父様は幸い、宰相と言う地位にある。
 皇太子殿下にお手紙を渡してほしいと頼めば、渡してもらえるはずだ。
 でも、なんて書くの?
 まだ、お父様も私たちのことは知らないのに。
 手紙を万が一見られることも考えると、エミリーのことも書けないし。リリーシャンヌである私がリリーであることを伝えるだけでも全て伝わるかしら?

 ……うん、手紙のことは、また考えよう。
「ローレル様、ご心配をおかけいたしました。父と兄からの手紙でした。これを読んだら元気が出ました」
 まずは、王都へ戻ろう。
 王都へはまだ数日かかる。その間に色々考えればいい。
 いや、王都についてから、どんな状況になっているのか確認してからでもいいはず。
「あら?本当に大丈夫なの?無理しないで。私たちに気を使わなくても大丈夫よ?」
 ローレル様が心配そうに私の顔を見た。
「本当に、もう大丈夫です。あの、兄も領地から戻ったようで、その、早く顔を見たいですし……」
 ローレル様がちょっと首を傾げた。
「……お兄様って、今考えれば公爵令息のロバート様でしょう?」
 そして、ちょっと不快そうに眉根を寄せる。
「あ、あの、ご存知なのですか?」