稿 男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~

「皇太子妃にさせたい母が、どこから王妃教育に関して情報を得て、私にやたらと身につけさせようとしたのよね……刺繍やレース編みのような細かな作業は苦手ですが、貴族の力関係や領地ごとの特色問題点などの知識はありますわ。ああ、隣国の情勢も」
 ローレル様が、私の家庭教師になってくださるってこと?

「もちろん、正式に皇太子殿下の婚約者になった後は、ちゃんとした家庭教師が付くでしょうが、それまでなら」
「お願いします!あの、あの、うれしいです。皇太子妃になっても家庭教師になってほしいです!」
 思わずローレル様の手を両手で握って前のめりにお願いする。
「あら、それもいいわね。皇太子妃の教育係になったとなれば、皇太子妃になれなくてもお母様は鼻を高くして自慢するんじゃないかしら?」
 うんうんと、アンナ様とハンナ様が頷いている。
「でもね、残念だけれど、私には無理だわ。頑張ってはみたんだけれど、うちの領地の隣の国の言語は小さい頃から習っていたから話せるのだけれど、他の国の言語が習得できていませんの。隣国の情勢は知っていますが、文化風習の習得もいまいち自信がありませんし……」
「それなら、大丈夫です!私5か国語が話せます。他国の文化風習、料理や特産物なども学びましたし、それから」
 アンナ様がうわーと声を出した。
「すごい。公爵令嬢って、そんな勉強するんだ。よかったぁ、私、公爵家に生まれなくて……」
 ハンナ様が大きく頷いた。
「そうですね。でも王妃になるためにしなくちゃいけない勉強は大変っていうけれど、リリー様ならもうほとんど終わってるんじゃない?」
 え?そうなのかな?
 私は学園に通ってないので、家庭教師に学んだ。学園に通う子たちも同じように学んでいると思ったんだけれど、そうじゃなかったの?
 私が学習していたことと内容は違ったのかしら?