稿 男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~

 ああ、そうだ。祝勝会で渡す手紙を書かなければ。婚約の話はなかったことに。別の方法で会えるように考えたと。
 公爵家と王家であれば交流があっても不自然はないだろうし、父に協力を頼むとか、何かできるんじゃないかと。
 手紙の内容を考えないとと思いながらも、心が浮きたって、考えがまとまらない。
 エミリーに会える。
 あの笑顔をまた見ることができる。
「まぁ、リリーったらくいしん坊さんね」
 と、幸せそうに微笑んでくれる。
 ただもう、想像しただけで胸がいっぱい。早く、会いたい。会いたいよ、エミリー。
 違う、違う、戦争から戻ってくるんだもん。無事でよかったとか、勝利おめでとうございますとか、なんか言わないといけない……。
 ああいいわ。それは祝勝会で言えば。
 二人で会った時は……もう、きっと私。ただただ嬉しくて、会えたことが嬉しすぎて、走り寄って抱き着いちゃうと思う。
 はしたなくたって構わないわ。
 でも、きっと抑えられない。エミリーの姿を見たら、抱き着かずにはいられないと思うの!
 きっと、エミリーは私を広い胸で受け止め、しっかり抱きしめてくれるわ。
「心配させちゃったわね」
 っていうかしら。
 ううん、「私もリリーに会いたかったわ」って。耳元でささやいてくれる。
 それからきっと、エミリーはいつものようにお菓子をつまみながら色々と話をしてくれるのだろう。
「もう、聞いてよリリー。男ばっかりの軍隊ってどれだけ臭いか想像できる?」
 とか、色々愚痴を聞かせてくれるのだろうか。どんな話でもいい。エミリーの声が聞ける。エミリーの次々と変わる表情を見ていたい。
 そうだわ。ローレル様と開発したレースの花をプレゼントしよう。
 色々な種類の花が編めるようになった。編み図もプレゼントしようか。いや、編み図は見つかるとだめか。